産後の夫婦生活について最近いろんな方からお話をうかがう機会が増えてきました。
その中でも現在進行形でセックスレスだけど、お母さん自身がセックスをしたくない状況で悩んでいるという方もかなりいらっしゃいます。
セックスって絶対にしないといけないことなの?
子供がいるのにどうやってしろっていうの?
セックスしなかったら離婚しなくちゃいけないの?
このような意見をよく耳にしますが、私の中であることが気になるようになってきました。
ほとんどのお母さんに共通するのが産後からあまり年数が経っていないということです。
当サイトのコンセプトでは、日本性科学会が定義するセックスレスは産後のお母さんには該当しないという前提で解説させていただいています。
産後のお母さんが「したい」と思えるようになってから、1ヵ月以上夫婦関係の再開が見込めないこと
つまりお母さん自身が性行為をしたくないのであれば産後という特別な事情で性行為ができないのはしょうがないということです。
じゃあいつまでがその特別な事情の状態なの?
それについては、「これが正解だ」という答えはないのよ。
産後はお母さんの体調次第で状況が変わりやすいだけでなく、生活環境も変わってくることからも具体的な性行為再開の時期を明確にすることができません。
かといって向き合い方がまったくないというわけではないわよ。
今回は産後の夫婦間での性行為について夫婦で向き合うために必要なことを紹介させていただきます。
産後の性行為は夫婦の悩みの種
出産という一大イベントは、夫婦間の性行為に大きい影響をあたえることになります。
お母さんとお父さん、それぞれに性に対しての認識のズレを生じさせることになるからです。
実際に産後の夫婦がどのようなことになっているのか詳しく解説していきます。
産後の性行為について悩んでいる人はたくさんいる
産後というのは様々な要因が重なってセックスレスになりやすい状況です。
産後のお母さんの体は全治2ヶ月の交通事故に相当するダメージを負っているといわれています。
そのため夫婦間での性行為を再開するには、最低でも数ヶ月の休息が必要です。
妊娠期から合わせると数ヶ月〜数年ほど夫婦関係がない状態が続くので再開のタイミングがつかめず、そのままセックスレスになる夫婦が多いです。
実際に出産経験者のアンケートでは産後から全くセックスしていないと答えた方は全体の3割ほどいるというデータもあります。
性行為再開の目処が立てられず
「どうやって夫婦関係を再開させようか?」
と悩む人がいる一方で、
「絶対に夫婦関係を再開させなきゃダメなのか?」
と悩んでいる人もたくさんいます。
産後のお母さんの立場
産後のお母さんの体は数ヶ月はボロボロの状態です。
出産で大きいダメージが残るだけでなく、ホルモンバランスが安定しないということもあってイライラしたり不安を感じやすい時期でもあります。
赤ちゃんという新しい家族が増えることで、生活リズムが大きく変わってまともに体を休ませることもできません。
心も体もボロボロの状態では性行為について考える余裕はなく、とにかく1分1秒でも良いから寝たいというのが産後のお母さんの本音です。
とてもじゃないけど、セックスのことまで考える余裕はないわ。
そんな状況のお母さんは、お父さんに「セックスができない状況を察してほしい」という気持ちがあります。
その気持ちはちゃんと伝えられているのかしら。
産後のお父さんの立場
お父さんからしてみれば、
「妊娠中はお腹に赤ちゃんがいるから我慢していたけど、赤ちゃんがお腹から出たんだからセックスできるよね」
という気持ちが心のどこかにあります。
「該当しないよ」というお父さん方、申し訳ありません(汗)
ですが実際赤ちゃんが産まれてくるとセックスどころではなく、お母さんはガルガルしていて話題すら出せません。
お父さんはいつからいつまでがお母さんの体調が悪いのかわからないので、できれば夫婦生活の再会についてお母さん側から切り出してほしいという気持ちがあります。
しかし待てど暮らせど、お母さんの口からそんな話題は出てきません。
どうやって再開させれば良いんだ?
同じ悩みをもつお父さんはけっこう多いみたいよ。
セックスレスは悪なのか?
結論からいうと、
『セックスレスは悪ではないが、セックスレスを当たり前だと考えてはいけない』
と私は考えています。
具体的な理由を詳しく解説していきます。
夫婦間でのセックスの必要性
セックスレスってどうして問題視されているの?
セックスレスが問題なのはスキンシップによる愛情確認が不足するからだと私は考えているわ。
セックスは末長く仲の良い夫婦であり続けられる努力の1つだと考えてます。
好きな人、信頼している人、尊敬している人、愛している人と肌で触れ合うと、人は安心感を覚えてリラックスするといわれているからです。
実際にオキシトシンと呼ばれるホルモンが脳から分泌されると、リラックスするということが証明されています。
オキシトシンは肌が触れ合うことでも分泌されます。
赤ちゃんの育児でスキンシップが大切だといわれているのは、このオキシトシンをたくさん分泌させることで赤ちゃんに安心感を与える効果があるからです。
つまり夫婦間でも、お互いに安心できる関係性を維持するためにはスキンシップが必要だということです。
セックスは絶対しなくてはいけない?
セックスはしなくても死ぬことはありません。
子孫は残せなくなるけどね。
性欲は三大欲求の1つで食欲・睡眠欲と肩を並べるほど人として生きていくうえでかなり上位の欲求に入りますが、性欲だけは食欲・睡眠欲と違って満たされなくても死ぬことはありません。
そのため性欲の優先順位は軽んじられる傾向にあって、性欲がない場合もう片方のパートナーに我慢してもらう必要が出てきます。
ですがそれは、1人だけに我慢を強いてしまっている状態です。
もし、この状態は良くないと考えるなら対策が必要になります。
セックスレスが続くと拒否されている側が精神的に不安定になりやすい
セックスはお互いの愛情を確認しあう行為だと記述しましたが、実際にセックスレスで悩んでいる方のほとんどが性欲が満たされないことよりも、肌の触れ合いがないことによる不安や悲しみで精神的に不安定になられている方が多いです。
もちろん性欲が発散できないという辛さもあるわよ。
本来、夫婦間では誰に遠慮することなく堂々と性行為ができる仲であるはずです。
そのためセックスという触れ合いがなくなることで、悲しい・淋しい・辛いという感情が湧き上がってきやすくなります。
オキシトシンが不足するから、不安を覚えるようになってきてしまうのよ。
どうしてもセックスしたくない時の対処法
セックスは1人ではなく必ずパートナーがいて成り立つ行為です。
2人の間の問題を自分の中だけで完結させるのは、パートナーへの思いやりに欠ける行為だと考えています。
パートナーへの思いやりが残っているという方はきちんと向き合って対策していきましょう。
拒否している側から歩み寄ろう
私たち日本人はお国柄、性についての不満は口に出しづらいです。
そのため性的な不満は口に出さずに相手の出方をずっとうかがい続けるレス夫婦が多いのが現状です。
このような状況においてセックスレスは拒絶する側の意見が通りやすくなり、パワーバランスに偏りができてしまいます。
夫婦仲が良い状態を長く保ちたいなら夫婦間のパワーバランスはできるだけ均等であることが望ましいです。
できれば発言力が強い方(拒否している側)から歩み寄る努力をしてみましょう。
積極的に歩み寄ることでスムーズに問題が解決できる可能性が高くなります。
相手に気持ちを伝えるために話し合おう
セックスレス夫婦は拒否する側が決定権をもつことが多いです。
そのため夫婦間でスムーズにコンタクトをとるためには拒絶している側から歩み寄る努力をする必要があります。
「セックスをしたくないのにしなくちゃいけないのか」
「別にする必要ないじゃないか」
などとセックスレスを当たり前に捉えられるのは拒否している側だけです。
拒否したままの状態で気持ちを何も伝えずに放置し続けていると、拒否される側からすれば
「もう愛情がないんじゃないか」
「嫌われているのかも」
と不安な気持ちが強くなります。
何も言って(伝えて)ないのに悟って欲しいというのは難題よ。
相手に悟ってもらうためには、
「今は心身ともにできる状態じゃないからしばらく待って欲しい」
という気持ちをきちんと相手に伝えることがとてが大切になってきます。
性行為以外の性的欲求の解消
ここでいう性行為とは挿入までの行為のことを指します。
セックスが嫌になって拒絶している人の中には、挿入が嫌で行為ができないという方も一定数おられます。
セックスしたいと思えないと、濡れなくて痛いだけなのよ。
そのような方には挿入はしなくても手・口・グッズを使って相手の性的欲求を解消してあげるという方法が有効です。
最低限の触れ合いだけどそれなりに愛情を感じられて満足が得られるし、性欲も解消されるので一時的な対策として取り入れる価値はあります。
パートナーから同意を得られたら積極的にやってあげてみましょう。
その他の方法
個人的にはあまりおすすめしていませんが、パートナーの不倫や風俗の利用を許容するという方法もあります。
セックスの相手をすることができないから、条件付きで異性との交流を認めるというやり方を取り入れている夫婦も実在しています。
かなり特殊な関係を構築できている夫婦間で成り立つ方法であって、軽はずみに取り入れてしまうと夫婦間に埋まることのない溝を作ってしまうリスクもあります。あくまで方法の1つとして知っておく程度にとどめておきましょう。
まとめ
今回は産後のセックスレスについて、夫婦関係をまだ再開させたくないと悩んでいるお母さんの悩みについて紹介させていただきました。
出産の後遺症は、体だけでなく夫婦の関係性にも傷跡を残すこともあります。
その要因の1つが夫婦間でのセックスレスです。
産後はお母さんとお父さんそれぞれが不安に思ったり、悩んだりする時期ということもあってすれ違いが起こりやすくなります。
夫婦の溝を深めないためにも相手の立場や状況を理解する努力をするようにしましょう。
そのために必要なのが、お互いの状況を理解するための話し合いです。
「セックスレス」は悪いことではないですが当たり前にしてはいけません。
たとえセックスレスになったとしても、夫婦で向き合ってお互いを受け入れる努力をしてみましょう。
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